GUNVALKEN(旧VⅡ)開発室  
【謝辞】

激震の2004年以来、多くの職人様たちのご協力のもと、
少しづつバージョンアップを繰り返し進化してきたガンヴァルケン
プロジェクトでしたが、御存知の通り、現在は開発を停止しております。

いつまでも状況を説明をセぬまま世間から忘れられる、というのも、
たくさんの素材をご提供くださった職人様たちに失礼なので、かいつまんで
状況を報告します。


今回の開発停止のいきさつですが、β60の残タスクの中に
一時停止した時にミニマップを表示して欲しい、という要望への対応があり、
これに対応するべくプログラムを改造しておりましたところ、
大改造の上、バージョンアップに失敗しました。


この一時停止というのが実にやっかいな難物でして、ゲーム全体の
一時停止はシステムを強制的に一時停止させることで比較的容易に
実現が可能だったのですが、全体を一時停止させながらミニマップの
表示のみを活かす、という仕組みをもたないため、このミニマップ表示の
実現の為にシステムを大改造する必要が生じました。


わかりにくいと思うのですが、つまるところ体中を流れる血管の流れを
止めるには心臓の弁を閉じれば、その一箇所で一時的に血流をすべて止めることが
できるが、その中でも一部の血管にのみ血を流す、という処理を作るには、
すべての血管について、それぞれ弁を追加する必要がありました。


ガンヴァルケンでこれを実現するには、敵や、銃弾、自機、背景など動くもの
すべての処理を、「動作」と「描画」の2つの処理に分ける必要があります。


どういうことかというと、通常のプレイ時には、1フレームの動作の中で
各ゲームキャラの「動作」をすべて計算した後で、すべて「描画」することで
処理を流します。


これを繰り返すことで、毎フレーム動作させることが可能になるのですが、
逆に一時停止させたときは、「動作」を更新しないまま「描画」のみを
行うことで、一時停止を実現します。

一時停止した状況で、ミニマップ表示のみ動作を行わせることが
できればゲームの停止中も、ミニマップの表示、及び、自機位置の
点滅が可能になります。


しかしながらプログラムはβ60の時点で「動作・描画・動作・描画」の
ような、スパゲッティ的な書き方になっていたため、これを各敵キャラ、
自機、弾丸、背景にいたるすべてのオブジェクトにおいて「動作・動作」
「描画・描画」にわける作業が発生しました。


心臓で言うと、すべての血管にそれぞれ弁をつけて、個別に開閉する
機能をつけるようなイメージです。(※今思うと、プロジェクトが破綻する
くらいなら、無理して整理せずに心臓を通らないミニマップ専用の特殊な
人工血管を作ればよかったな、と思っています)


この作業には膨大な時間を費やしたものの、ほぼ8割のプログラムが
整理できましたが、この仕組に対応させるためには、すべてを作りなおす
必要がでてくる敵が残りました。主にボスや演出ですが、具体的には、
2面のガロイシュもどき、5面のシャトルなどです。


シャトルは特に複雑な構造のため、イチから作るのも気が遠くなる
作業なのですが、とりあえず、細かいところは置いておいて最低限
動作させるところまで復旧し、かなり不安定なものの、なんとか
ステージを進行させることができるようになるところまで復旧させました。
ここからは、旧システムとのつじつまあわせが、必要なところです。

ひたすらプレイしながら、でてくるエラーについて、個別に対処をすすめる
バグ取りなのですが、さすがにシステムを大変更した後だけあり、メモリに関連した
エラーが大量にでます。いわゆる「不正な処理」で落ちるアレです。

これは、まだ半分も取り切れていないと思いますが、一つ対処するたびに
原因を調査するのに膨大な時間を要し、未だ取りきれていません。


そうこうするうちに、私が自由にできる時間が底をついてしまいました。








現在のragiはガンヴァルケン同様に心血を注いで作っている製品があり、
もう一度ガンヴァルケンを更新できる時間を持つことは、非常に難しい
ですが、2004年にクロスノーツが目指し、そのクロスノーツに期待した
ファンの一人が勝手に妄想していた製品を、一般流通を通じて世の中に
出せるようにすることを目標にお仕事を続けています。


おかげさまで、ガンヴァルケンを作る中で得た知識はゲームプログラムを
作る上で、非常に有用な知識となり、これを自身のプログラムライブラリに
フィードバックさせることで得た高速なプログラミング技術が、今でも
お仕事で有効に作用しています。

またそれ以上にガンヴァルケン制作の間に、頂いたたくさんの応援や、
批評や、厳しい指摘がたくさんの経験となり、磨いてもらった
「ゲーム制作のノウハウ」が、ライブラリ以上に開発の現場で役立ち
私のゲーム開発環境は20人のかわいい部下をもつところまで
成長しました。


さらに、ガンヴァルケン制作を開始してからの私生活においても、非常に
調子がよく、私にとってのガンヴァルケンは、雑誌の裏表紙によくある
ような、謎の幸福のペンダントような存在で、ペンダントの謳い文句
どおりに結婚できて、就職できて、子供を持つことができ、お給料は激しく
安いですが非常に充実したゲーム開発ライフを送らせてもらっています。

残念ながらプログラマとしては最前線を退いてしまいましたが
このプロジェクトを一緒に進めてきた各職人さま達も、きっと元気に
ご活躍されていることと思います。ご提供いただいた各素材のクオリティは
とても、素人のものでないのは一見してわかりますが、そんな業界の
各プロが集まって、ひとつの作品に情熱を燃やす、といった商業では
ありえないような、見えないドリームチームがそこにあったと思います。

いまは職人のみなさまと一緒に作ってきた時間に体験したむさくるしいほど
アツい気持ちと、ゆるいコミュニケーションがとても居心地が良く、私にとって
忘れられない時間であったことから、お仕事でも情熱をもったチームメンバーが
心地よく育つような開発環境を提供できるよう尽力しています。




ご協力くださった職人のみなさま、デバッグや、評価をくださった
プレイヤーさんや、ブロガーの方々、まとめサイトや、アップローダーの
管理人様、本当にありがとうございました。

開発サイトと、開発の経緯や、デバッグ情報、要望や、感想などが
記載された貴重なバグ管理板は、今後のゲーム開発の参考になりますよう、
新規の書き込みは制限した上で残しておきます。

今後は、商業製品やお仕事を通じてみなさまとモノづくりできるように
なることに期待しています。

おかげさまで、非常に幸せに暮らしております。


本当にありがとうございました。









オマケ




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